老人はよく誤嚥する、というのは、私たちが思いこんでいるほどには本当ではない。
私たちだってときどき誤嚥しかかる。
しかし、咳のひとつもすれば、ちゃんと食べものが食道側に戻るのです。
しかし、肺活量の少ない老人は、1回の咳では食べ物が戻らず、そこで長くむせるのです。
つまり、老人がよく誤嚥するというよりは、よくむせるというべきなのだ。
だとすれば、誤嚥しかかったときに、効果的に咳が出るようにすることこそ大切ではないか。
そのためには、上を向いていては駄目なのです。
呼吸筋である腹筋は、寝ていると、座っているときの半分の力しか出ないというではないか。
誤嚥を起こさないためにも、また、誤嚥してしまったときにも、座っていることが、いかに生理的な姿勢であるかは明白なのです。