麻痺以外で老人の嚥下を困難にしている理由は何でしょうか。
麻痺のない老人でも、よくむせているではないか、あれは老化のせいで、嚥下反射が弱くなったからではないか、と言う人がいるかもしれない。
老人は特別な存在で、だから、普通の方法ではなく、特別なアプローチ、すなわち、点滴だとか鼻腔栄養だとかをしなければならないと主張する人たちにとっては、"老化"というのは便利な言葉です。
何でも老化のせいにすればいいのだ。
しかし、80歳後半や90代の老人の嚥下反射が弱っているなんてことはないはずだ。
たとえ意識レベルが"昏迷"なんて分類されてしまいそうな人でも、口の中に食べ物を入れれば、ちゃんと飲みこんでくれたりするのです。
不随意の反射運動であるからこそ、他の機能が老化で低下してしまっても、むしろ健全に残っている、という印象さえ受ける。