一九九〇年/アメリカ 「星の流れる果て」
時代は一九八四年から八六年。
イランでは七九年にホメイニ革命政府がイスラム共和国を成立させ、民族意識が強まる中、八〇年からイラクとの全面戦争に突入していた。
革命のシンボル的存在として、ホメイニは最高指導者に就任し、10余年にわたって正教一致の強硬な政治を展開した。
自分の意志に反して、イランから出国できなくなった平凡なアメリカ人主婦が、娘と共に国外脱出するまでを描いた人間ドラマ。
アメリカ・ミシガン州に住むベティとムーディ夫婦は結婚して七年、五歳になる娘もある。
ムーディはイラン人の医師で、アメリカに渡って二十年になるが、医師仲間からも人種差別のいやがらせを受けている。
そんな折、イランにいる姉から電話があり、ムーディは帰郷の衝動にかられる。
危険な国へ娘を伴うのをしぶるベティを、二週間の里帰りだとだまし、テヘランに飛ぶ。